新学期早々、娘のクラスメイトがコロナに感染し、娘が濃厚接触者になってしまいました。結果的には不幸中の幸いで、娘はコロナに感染していませんでした。
今回は娘の体験を踏まえて、ロサンゼルスの小学校でのコロナ対策や対応を紹介します。
※この記事に記載されていることは、2021年9月17日現在の情報です。
2021-2022年度のロサンゼルスの小学校は?

アメリカの小学校は、毎年、8月中旬~9月初旬に新学期が始まります。
娘の小学校の場合、昨年度はオンライン授業でのスタートでしたが、2つの選択肢から選べました。
- 100%オンライン授業
- 可能になった時点で登校に切り替える
わが家は『2』を選び、午前中と午後と分かれて少人数制で2時間半と短い時間でしたが、後半の3カ月ほど登校できました。
2021-2022年度は、どうなのでしょうか?
対面授業が再開
感染力の強いデルタ株の蔓延で、「またオンライン授業になるのでは」と不安だった人が多かったですが、ロサンゼルスの小学校では通常通りに登校して対面授業が再開されています。
コロナが収束したわけではありませんし、まだコロナのワクチンを接種できない年齢なので、不安を感じている親がほとんどです。
しかし、子どものメンタルヘルスを考えると、規制はあるものの登校できる方がメリットが多いと感じている親も多いようです。
昨年度、ほぼオンライン授業だった経験があるからこそ、身に染みて分かることかもしれません。

正直、感染リスクは不安ですが、娘は登校できるのが物凄くうれしいようで、イキイキしていますよ。
「自主学習」という選択肢も
登校せずに『自宅で勉強をする』という選択肢もあります。
しかし、昨年度のようにオンライン授業はなく、『自主学習』です。
基本的に与えられた課題をこなして、提出するスタイルになります。学年によって違いますが、小学5年生の場合は、週に1回程度、オンラインで先生のフォローが受けられるようです。
昨年のオンライン授業のように画面を通してクラスメイトの顔が見られるわけではないので、孤独かもしれません。
いつでも通学に切り替えられるので、例えば免疫疾患がある子どもなどは、ワクチンが接種後に登校に切り替えることも可能です。
娘が通うロサンゼルスの小学校での対策

ロサンゼルスの学校は、カリフォルニア州やロサンゼルス郡保健局のガイドラインに従っていますが、学区により多少違いがあります。
ここでは、娘の通う小学校での対策を紹介します。
全ての教職員にコロナワクチンを義務化
カリフォルニア州の方針で、全ての教職員はコロナのワクチンを接種することが義務化されました。
2021年10月15日までに、接種を終えなければいけません。
娘の通う学区では、接種が完了するまで毎週PCR検査を受けるように指示が出ています。
毎朝、体調のセルフチェック
毎朝、生徒はコロナの症状がないか、体調をセルフチェックする必要があります。
スマホのアプリを使っており、質問の答えが全てNOだと特定の色が画面に表示されます。
このアプリの画面が学校に入るパスになっているので、毎朝、校門の前に待機しているスタッフに見せて学校内に入ります。
アメリカでは保護者が子どもの送り迎えをするのが普通なので、そのついでにスマホを見せればよいので特に手間は掛かりませんが、近いうちに変更になる予定です。
アプリの質問の答えが全てNOのときは、学校から配布されるカードを見せればよいだけになるようです。このカードは、子どもたちが学校に持っていくバックパック(リュック)につるせるようになっているそうです。
室内でのマスク着用
教職員も生徒も全員、屋内ではマスク着用が義務付けられています。
ガイドラインでは、室外はマスクなしでもよいとされていますが、ほぼ全員マスクを着用しているようです。
ソーシャルディスタンス
以前は6フィートでしたが、現在は3フィート(約91cm)のソーシャルディスタンスが推奨されています。
教室の机は、ソーシャルディスタンスを保てるように配置されています。
手洗い・消毒の徹底
学校では、手洗いや消毒のタイミングが決められています。
登校したら、まず教室に入る前に所定の場所で手洗いをしなければなりません。
ランチの前にも手洗いをし、休み時間の前には消毒、後には手洗いをしてから教室に戻ります。
毎日、教室やトイレ、ランチテーブルなども消毒されています。
空気洗浄機の使用
各教室には、空気清浄機が設置されているようです。
窓やドアも開けたまま授業を受けています。
日本とロサンゼルスの小学校の校舎は、構造的にかなり違います。ロサンゼルスの小学校では、教室のドアを出るとすぐ外になっているのが一般的です。
窓とドアを開けておけば直接外の風が入ってくるので、空気の入れ替えは十分にできている気がします。
ランチは屋外で食べる
コロナ禍以前からですが、ランチはカフェテリアに設置されている屋外のテーブルを利用しています。
学年ごとに時間差で食べるスタイルで、各自座る席も決められています。
以前は好きな席に座れ、他のクラスの友達と一緒に食べることもできましたが、今はそれができません。
PCR検査の提供
ロサンゼルス統一学区のように、毎週のPCR検査が義務付けられているところもあります。
娘の学校は義務ではありませんが、誰でも自由に受けられる形になっています。
時間差で登下校・複数のゲート利用
もともと低学年と高学年で下校の時間が異なっていましたが、新たに登校にも時間差ができました。
また、以前は学校内に入る校門が限られていましたが、現在は複数の校門が解放されており、ソーシャルディスタンスが保てるようになっています。
休み時間は、決められたエリアで過ごす
以前から休み時間は、学年によって時間差がありました。
現在は時間差に加えて、クラスごとに決められてエリアを利用するスタイルが取られています。以前のように他のクラスの友達と一緒に遊ぶことはできません。
7つのエリアに分けられていて、日ごとにローテーションになっているようです。
娘が通う小学校での濃厚接触者への対応

残念がことに、学校が再開されて早々、娘のクラスでコロナ陽性者が出て、娘が濃厚接触者になってしまいました。
娘の通うロサンゼルスの小学校では、どのような対応が取られたのか紹介します。
学校から連絡がくる
まず、学校からクラスメイトもしくはスタッフがコロナに感染した可能性があるという内容の手紙をもらいました。
翌日に登校すると、9時半頃に電話がかかってきてクラスメイトもしくはスタッフが陽性であることが判明し、娘が濃厚接触者であるとの連絡を受けました。
濃厚接触者とされるのは、6フィート(約182cm)以内で陽性者と15分以上の接触があったとされる者だそうです。
電話で簡単に今後の対応の説明を受け、すぐに迎えに。
迎えに行ったときに、再び今後の対応について説明を受けました。対応については渡された書類にも詳しく書かれていました。
自宅隔離と再登校のガイドライン
濃厚接触者となった場合は、自宅隔離になります。
再登校のガイドラインは、以下の通り。
- 最後に陽性者と接触があったとされる日から5日以降にPCR検査を受け、陰性の場合は7日目以降
- 10日間の自宅隔離後(PCR検査の必要なし)
いずれもコロナの症状が出ている場合は登校できません。
気になる勉強の遅れは?
「コロナに感染しているか」という不安とは別に、親として気になるのが、『勉強の遅れ』ではないでしょうか?特に高学年になると、算数などは難しくなりますし、不安ですよね。
結論から言うと、勉強の遅れに対する心配は無用でした。
これは、昨年度がほぼオンライン授業だった経験が生かされていることが大きいです。とにかく、移行がスムーズ。
既に昨年度に使用した課題のスライドやワークシートがあるので、先生はグーグルクラスルームを使って課題を出すだけ。
娘も既に手順が分かっているので、問題なく課題をこなし提出していました。

ただ、先生がオンラインで教えてくれるわけではないので、算数などは書かれていた説明だけでは理解しにいものもあり、親が教えるといったサポートが若干必要でしたが…。
コロナに感染して体調が優れない場合は別ですが、娘のように問題がない場合は、課題をしっかりこなせば勉強の遅れはないと思います。
ロサンゼルスの小学校の今後の動き

今後、どのような動きが見られると予測されているのか、ニュースなどの情報をまとめました。
ワクチンが義務化した学校区も
現在、アメリカでは12歳以上であれば誰でもワクチンの接種が可能です。日本のようにワクチンが不足しているわけでもありません。
ロサンゼルス統一学区では、12歳以上の生徒にワクチンの接種が義務化されました。11月21日までに1回目、12月19日までに2回目の接種を終わらせるようにとのことです。
12歳以下でもワクチン接種が可能になれば、小学校でも義務化される可能性があるとされています。
ただ、今のところ判断は学区なので、足並みをそろえるのは難しいのが現状です。

娘の学区は、PCR検査も12歳以上の生徒のワクチンも義務化されていません。
小学生がワクチンを打てるのは、いつ?
現時点では、小学生がワクチンを接種できるようになる日は決まっていません。
しかし、最近のニュースでは、早くて10月末には可能になるのではないかとされています。
当初は、早くて年末頃と言われていたので、かなり早まっていますね。
これからサンクスギビング(感謝祭)・クリスマス・年末年始とイベントが続き、人の動きが激しくなる時期に突入するので、その前にワクチンを接種させたいと考えている親も少なくありません。
他州での状況は?

アメリカといっても、共和党支持者が多い地域と民主党支持者が多い地域では、方針や人々の反応が大きく異なります。
マスク着用論争が続いている
共和党支持者が多い地域では、学校でのマスク着用の義務化に反対する声があります。反対する保護者がデモをする事態に発展した地域も。
フロリダ州知事が義務化に反対で、方針に従わない学校への財政支援を停止できるとした行政命令に署名する事態も起こりました。フロリダ州の裁判所は、この命令を認めませんでしたが…。
日本人は「マスクぐらい着ければいいのに」と思いますが、アメリカでは断固反対する人が少なくないのです。
このような地域では、ロサンゼルス統一学区のようにワクチンを義務化するのも難しいでしょう。