- 日本とアメリカの二重国籍の子どもがいる。アメリカのパスポートを取得する方法を知りたい。
- 二重国籍の場合、日本のパスポートも取得する必要があるの?
こんな疑問を解決する記事です。
初めてのことで、英語での手続きとなるとナーバスになりますよね。でも、申請はとても簡単なので安心してください!
わが家には日本とアメリカの二重国籍の娘がおり、先日、3回目のパスポート申請を終えたばかりなので、必要書類や手順などを詳しく解説します。
子ども用は有効期限が5年と短いので、10歳でも3回目の申請。お手のものです。(笑)コロナ禍で日本に行く予定はないですが、急に日本に行かなければならないときのために、常に備えています。
また、『日本のパスポートも必要なのか』『親子で違う国籍のパスポートで日本に入国する際の注意点』など、二重国籍の子どもに関する疑問についても触れています。
アメリカ国籍の子どものパスポート取得方法
16歳までは子ども用のパスポート申請になり、有効期限は5年です。
郵送での申請はできず、基本的に両親とともに申請場所に出向く必要があります。
詳細については『U.S. Department of State』のサイトに書かれているので、必ずチェックしてくださいね。
子どものパスポート申請に必要なもの
必要なものは以下の通りです。
- 申請書(DS-11)
- 子どもの国籍を証明するもの
- 子どもの国籍を証明するもののコピー
- 親子関係を証明するもの
- 両親の身分証明書
- 両親の身分証明書のコピー
- 写真
- 費用
わが家が実際に持参したものは、以下です。
- 申請書(DS-11)
- 出生証明書(Birth Certificate)/オリジナルとコピー
- 夫と私の運転免許証/オリジナルとコピー
- 写真
- 費用
子どもの国籍を証明する書類と親子関係を証明する書類は複数ありますが、『出生証明書(Birth Certificate)』があれば、1つの書類で両方証明可能です。
子どものパスポート申請に必要なものの準備と注意点
上に挙げた必要書類の詳細や注意点を解説します。
申請書(DS-11)
申請書は、『U.S. Department of State』のサイトから取得可能。
記入の仕方は2通りあります。
- PDFの申請書をダウンロードし、印刷して必要事項を記入する
- オンライン上で必要事項をタイプし、印刷する
子どものアメリカ国籍を証明するもの&そのコピー
証明できる書類は複数ありますが、以下のどちらかが一般的です。複数持っていく必要はなく、1つで構いません。
- 有効期限のあるアメリカのパスポート
- 出生証明書(Birth Certificate)
おすすめは、『出生証明書(Birth Certificate)』です。すでに述べた通り、必要書類である『親子関係を証明するもの』としても使えるためです。
コピーを持っていくのを忘れないようにしましょう。オリジナルは見せるだけで持ち帰り、コピーを提出します。
親子関係を証明するもの
こちらも証明できる書類は複数ありますが、『出生証明書(Birth Certificate)』が一般的です。
むしろ、『出生証明書』以外で証明するものを持っている方がまれ。(笑)
両親の身分証明書&そのコピー
こちらも証明できる書類は複数ありますが、一般的なものは以下の通り。
- 運転免許証
- パスポート
- 永住者カード(グリーンカード)
コピーを持参する必要があり、注意点は以下です。
- 裏表両方をコピーする
- レターサイズ(8 1/2 x 11″)で印刷
- 両面コピーはしない
- 拡大・縮小はしない
写真
パスポートの写真は、申請場所でも撮影が可能な場合もありますが、前もって準備していくのが安心です。
コロナ禍で写真撮影のサービスを一時中止しているところも多いので、事前に電話で確認するのがおすすめです。
実際に、公式サイトに『撮影可能』と書かれていて、電話で確認したら「やってない」と言われたこともあるので。(アメリカのあるある。笑)
わが家は『Walgreens』で撮影してもらい、$14でした。
費用
『Application Fee ($80)』と『Execution(Acceptance)Fee($35)』の2種類の費用が発生します。
注意点が2つあります。
- 別々に支払う必要がある
- 『Application Fee』は、クレジットカード払いができない
支払先 | 小切手 | クレジットカード デビットカード | |
Application Fee ($80) | U. S. Department of State | ○ | × |
Execution Fee ($35) | Postmaster | ○ | ○ |
小切手の『pay to the order of』の部分には、上記の『支払い先』を書きましょう。
また、下記のように小切手に『子どものフルネーム』と『誕生日』を記載します。
小切手は自宅で書いて持っていくと、手続きがスムーズですよ♪
また、早急にパスポートが必要な場合は、追加料金($60)で優先的に手続きをしてもらえます。
アメリカ国籍の子どもパスポート申請の方法
必要書類をそろえたら、申請を受け付けている施設に出向きます。大切なポイントは、2つ。
- 予約をする
- 両親そろって子どもと一緒に出向く
予約をする
コロナ禍のため、現在は限られた郵便局などでのみ受け付けています。予約のみでウォークインはできないそうです。
『U.S. Department of State』で、パスポート申請を受け付いている施設を検索できます。
ただし、現在はコロナ禍のため、限られた郵便局などでのみ受け付けているようで、郵便局のパスポート申請予約ページから予約するようにアドバイスされました。
予約が取れたのは、1カ月先でした。パスポートを使う予定がある人は、早めに予約を入れるのがおすすめです。
両親そろって子どもと一緒に出向く
子どものパスポート申請には、両親そろって子どもと一緒に出向く必要があります。
どちらかが出向けない場合は追加で書類が必要なので、『U.S. Department of State』のページの『7. Show Parental Consent』を参照してください。
二重国籍の子どものパスポートに関する疑問
二重国籍の子どもを持つ親の間で、よく話題に上がる疑問をまとめてみました。
日本のパスポートは必要なのか?
日本のパスポートは、作らなければいけないわけではありません。
実際に入国の際に係の人に聞いて、「作らなければいけないという規則はない」との回答を得ています。
娘は日本のパスポートを作っておらず、アメリカのパスポートで何度も日本に入国していますが、全く問題ありません。
日本のパスポートを取得するメリット
日本のパスポートで入国するメリットは、滞在期間が限られないことです。
アメリカ人として入国すると、滞在期間が90日のように限られてしまいます。
わが家のように夏休みを利用して1カ月程度滞在するのであれば、わざわざ日本のパスポートを作らなくても不都合はありません。でも、長期で滞在する予定の人は、日本のパスポートを作った方が安心でしょう。
親子で違う国籍のパスポートでの入国は?
親子一緒に入国するので、我が家のように母親が日本のパスポート、娘がアメリカのパスポートの場合、日本人と外国人のどちらの列に並べばよいのか悩みますよね。
毎回、係の人に聞くのですが、いつも『どちらでもない列』に行くように促されます。
日本人・外国人の看板も出ていない列です。そこで、日本とアメリカのパスポートを出して入国しています。
時々、色の違うパスポートを持っている親子が並んでいるのを見かけるので、わが家と同じ状況なのでしょう。
人によっては、外国人の列に並ぶように言われる人もいるようなので、係の人の判断によるのかもしれません。
二重国籍はいつまで?
日本の法律では、22歳までに国籍を選択する必要があるとしています。
しかし、アメリカでは二重国籍が認められており、日本がアメリカ国籍離脱を強制することはできません。
つまり、22歳までに『国籍選択届け』を提出し日本国籍を保持することで、その後も二重国籍が可能になってしまうという矛盾があるわけです。
多くの国では二重国籍が認められており、今後もどんどんグローバル化が進む中で、日本でも二重国籍が認められる日が来るかもしれないですね。
(参考:国籍の選択について│法務省)
アメリカの子どものパスポート申請は簡単にできる!
公的な手続きは複雑と思われがちですが、アメリカの子どものパスポート申請は、意外にもシンプルです。
必要書類も少ないので、準備も簡単です。しっかり準備して申請をすれば、数分で完了しますよ。
ただし、上記の情報は2021年5月のものです。約10年前に初めて申請したときと必要書類は変わっていませんが、申請するときは必ず『U.S. Department of State』で確認してくださいね!