ロサンゼルスで誕生した代表的な料理の一つが『French dip(フレンチ・ディップ)』と呼ばれるサンドイッチです。
そのフレンチ・ディップ発祥のレストランといわれているのが、ダウンタウンにある老舗の『Philippe The Original(フィリップ・ザ・オリジナル)』になります。
実際には、もう一つ元祖だと主張しているレストランがあり、今となってはどちらが本当の元祖なのか分かりません。
ロサンゼルスでは世界各国の料理が楽しめますが、世界大恐慌や第二次世界大戦にも負けず、地元の人達に愛され続けているフィリップは、一度は訪れたい有名な老舗レストランです。
今回は、フィリップの歴史やフレンチ・ディップの誕生秘話、特徴をたっぷり紹介します。ぜひ、ロサンゼルスに来たら足を運んでみてくださいね!
「フィリップ」ってどんなお店?
フィリップを訪れる前に、レストランの歴史やフレンチ・ディップの誕生秘話を知っていると、より楽しめますよ。
フレンチ・ディップ発祥の老舗レストラン
フィリップは、1908年にフランスからの移民だったマシュー・フィリップ氏が始めたレストランです。1918年に別の場所に移転し、そこでフレンチ・ディップが誕生しました。
しかし、1927年に馬とワゴンをレンタルするビジネスをしていた人物に売却しています。その後、第二次世界大戦までは、24時間営業されていました。
高速道路を作る関係で立ち退きを余儀なくされ、1951年に現在の場所に移転。1階が機械工場、2階がホテルだった建物で、実際にレストランに行くと、そのユニークな造りがよく分かりますよ。
現在も店内はオープン当時とほぼ変わらないため、レトロで味があります。今はほとんど見かけない公衆電話のブースやキャンディなどを売るカウンターもあります。
フレンチ・ディップの誕生秘話
フレンチ・ディップの誕生は、ちょっとしたアクシデントがきっかでした。
1918年のある日、フィリップ氏があやまってフレンチロールをオーブンから取り出したローストパンに落としてしまったのです。
ローストしたときの汁がパンに付いてしまったのですが、注文した警察官は「構わない」といってそのまま受け取ったそうです。
翌日、予想外の美味しさに感動した警察官が、友人数名を連れて前日と同じ汁が浸ったサンドイッチを食べに来た、というのが始まりです。
フレンチ・ディップという名前の由来は、創業者がフランス人移民だったからという説と警察官の名前がフランス名だったからという説があります。今となっては不明だそうです。
カウンターでオーダーする
オープン当時と変わらず、カウンターで注文するスタイルです。
カウンターはデリのように、さまざまなサイドディッシュやデザートなどが陳列されているので、実際に見て注文できます。
カウンターで注文し料理を受け取るスタイルのレストランもフィリップが元祖といわれています。
床にはパンくずが落ちている
床にパンくずが散乱しているのが、昔から続くフィリップの特徴です。
もともとは、食べこぼしなどでお客さんが滑って転んでしまわないようにという趣旨があったようですよ。
ランチやディナータイムは混む
注文カウンターは複数ありますが、ランチやディナータイムはいつも混んでいます。
職場がダウンタウンだった義父いわく、特にランチタイムはダウンタウン周辺で働いている人達がたくさん訪れるため、ドアの外まで並ぶ人であふれていることも少なくないそうです。
ただし、店内は広く長居する人も少ないため、わりと回転は早いと言っていました。
また、ドジャースタジアムで野球の試合があるときは、フィリップに寄る人が多く混雑します。混雑に巻き込まれたくない人は、試合がないかチェックしましょう。
「フィリップ」のフレンチディップの特徴やサイドディッシュ
フィリップのフレンチ・ディップの特徴や一緒に食べたい人気のサイドディッシュを紹介しますね。
フレンチ・ディップ
フレンチ・ディップと一口にいっても、レストランによってスタイルが異なります。
一般的にディップ(ソース)に浸した肉が挟まれいるスタイルとディップが別に用意されていて浸しながら食べるスタイルがあります。
フィリップのフレンチ・ディップは、すでにディップされた肉が挟まれているスタイルです。
ただし、注文時に頼めば小さい入れ物にディップを入れてくれ、浸しながら食べられます。断られたという人もいるようですが…
挟む具や浸し具合、チーズの種類が豊富
挟む具は、以下から選べます。
- Beef(牛肉)
- Pork(豚肉)
- Lamb(子羊肉)
- Turkey(七面鳥)
- Pastrami(パストラミ)
- Ham(ハム)
好みで以下のチーズを追加(追加料金あり)できます。
- Swiss(スイスチーズ)
- American(アメリカンチーズ)
- Jack(ジャックチーズ)
- Blue(ブルーチーズ)
- Cheddar(チェダーチーズ)
パンの浸し具合も以下から選べます
- Single(シングル)
- Double(ダブル)
- Wet(ウエット)
- Dry(ドライ)
シングルが一般的。ディップたっぷりがいい人は、ウエットを選びましょう。
人気のサイドディッシュ
人気のサイドディッシュは、上の写真にある4品です。
- Potato Salad(ポテトサラダ)
- Mac Salad(マカロニサラダ)
- Coleslaw(コールスロー)
- Kosher Dill Pickle(コーシャー・ディル・ピクルス)
ピンク色に染まった卵『Pickled Egg(ピクルド・エッグ)』はインスタ映えするので、注文して写真を撮っている人もいます。
オリジナルのマスタード
テーブルにはオリジナルのマスタードが用意されているので、ぜひフレンチ・ディップにつけて食べてみてください。
辛さがクセになるおいしさで人気が高く、レストランやオンライン(公式サイト)で購入できるようになりました。
ただし、保存料が使われていないため、90日程度しかもちません。
「フィリップ」の店舗情報
Who are you eating Philippe’s with when the quarantine is over? 📷 by @eaterla pic.twitter.com/gSuRxZYQNl
— Philippe’s (The OG) (@PhilippetheOG) March 27, 2020
駐車場はレストランの後ろ側だけでなく、「Ord Street」を挟んだ向かい側にもあります。
レストランの後ろ側の駐車スペースは狭いので、向かい側の駐車場の方が停められる確率が高いです。ただし、ランチやディナータイムは停められないことも少なくありません。
住所 | 1001 N. Alameda St., Los Angeles, CA 90012 |
電話 | 213-628-3781 |
営業時間 | 6:00~22:00 |
定休日 | なし クリスマス・サンクスギビング:休み |
公式サイト | Philippe The Original |
フレンチ・ディップといえば、『ジョニーズ』も人気ですよ♪